フォーエバーケミカルの有機フッ素化合物(PFAS)と、虫歯予防の無機フッ素化化合物(フッ素、フッ素化物、フッ化物)の違いは?

規制が進む有機フッ素化合物(PFAS)と無機フッ素化化合物(フッ素、フッ素化物、フッ化物)の違いは?

フッ素(Fluorine, F)は世界で話題になっていますが、いま日本で話題のフッ素は2種あるので区別が必要と唱える人もいます。

鉱物(ハロゲン化鉱物)の蛍石(フロライト)からつくり出されるフッ素(Fluorine, F)とは、周期表の17族(ハロゲン)に属する元素で、原子番号9、化学記号Fの非金属元素です。自然界で最も電気陰性度が高い元素であり、他の物質から電子を奪う能力が非常に強力です。この特性により、フッ素は非常に反応性の高い酸化剤として知られています。

単体のフッ素(F₂)は、常温で淡黄色の有毒な気体として存在し、多くの物質と激しく反応します。自然界では単体としては存在せず、主に無機フッ素化合物(フッ素イオンを含む化合物)として蛍石(フロライト)に含まれています。

フッ素は、エネルギーに欠かせないフッ化水素酸の他、歯のエナメル質の強化や虫歯予防に利用される無機フッ素化合物(例:フッ化ナトリウム)、有機フッ素化合物(例:PFAS)として、冷媒、半導体材料、耐熱ポリマーなどを含む産業用途にも広く使用されています。

化合物とは、2種類以上の異なる元素が化学結合によって結びついてできた物質で、
有機化合物とは、「炭素(Carbon)を主成分」とし、炭素-炭素結合や炭素-水素結合を含むもの、
無機化合物とは「炭素(Carbon)を主成分としない」もの、または特定の炭素化合物です。

 

有機フッ素化合物(PFAS)とは フッ素がしみこんだ炭 水に溶けず永遠に環境に残る

有機フッ素化合物(PFAS)は、「フッ素(Fluorine, F)が、炭素(Carbon)と結びついた化合物」で、現在危険視されているPFOSやPFOA等の1万種類以上の化学物質の総称、水や油をはじく効果があり、熱にも強いことから、フッ素樹脂加工のフライパンや半導体、冷媒、包装紙、防水服、消火器などに幅広く使われてきました。簡単に言えば気体のフッ素がしみこんだ炭です。

有機フッ素化合物(PFAS)は、高い耐久性を持ち「永遠の化学物質(フォーエバーケミカル)」として知られ、環境中や体内への蓄積および健康への影響が懸念されています。欧米では、1980年代までは主要生産国でしたが、1990年代からその有害性が注目されました。アメリカでは2000年にPFOSを製造していた企業が自主的に生産を中止し、EPAによる規制が強化されました。欧州連合(EU)は2006年にPFOS規制を開始し、2010年以降にPFOAを含む他のPFASを追加で規制しました。日本では全国の水道水や水源汚染が問題となっています。

有機フッ素化合物(PFAS)はアメリカで、「乳児・胎児の発育の低下」、「脂質異常症(悪玉コレステロールや中性脂肪の増加)」や「腎臓がん」などの副作用、日本の食品安全委員会では、「流産・早産」や「免疫機能の低下」、「がん」などのリスクが指摘されています。

 

無機フッ素化合物(フッ素、フッ素化物、フッ化物)とは フッ素がしみこんだ塩 水に溶けて永遠に環境に残る

一方、虫歯予防に用いられる無機フッ素化合物(フッ素、フッ素化物、フッ化物)は、「フッ素(Fluorine, F)が、炭素(Carbon)以外の元素(例: ナトリウム・Na、カルシウム・Ca)と結びついた化合物」で、フッ化ナトリウム(NaF)やフッ化スズ(SnF₂)などの化学物質です。アルミニウムやウランの製造過程などにも生じる高い腐食性を持つ物質で、アメリカで1950年から約70年間に渡り、虫歯予防として水道水や歯磨き粉に添加を行ってきた物質です。簡単に言えば気体のフッ素がしみこんだ塩などです。

日本の歯磨き粉で使用される無機フッ素化物(フッ素、フッ素化物、フッ化物)の表示名称は以下のようなものがあります。

「フッ化ナトリウム(Sodium Fluoride, NaF)」:主に虫歯予防の効果を持つフッ素化合物で、多くの歯磨き粉に使用されています。

「モノフルオロリン酸ナトリウム(Sodium Monofluorophosphate, MFP)」:同じく虫歯予防効果を持つフッ素化合物ですが、ややマイルドな特性を持っています。

「フッ化第一スズ(Stannous Fluoride, SnF₂)」:歯の再石灰化を促進し、歯茎の健康維持にも役立つと言われていますが、日本ではあまり一般的ではありません。

無機フッ素化合物(フッ素、フッ素化物、フッ化物)は2024年9月のアメリカの最新判決で、全米3億3,000万人が利用する水道水において、急性・慢性中毒量以下の現状のフッ素添加0.7ppm水道水での子供の知能低下リスクが判決され、全米でニュースになっています。

また、虫歯予防のフッ素化物は、海の水に溶けている自然界のフッ素や植物中から採取できる確立された技術はありません。フッ素化物を含む蛍石(フロライト)からフッ化水素を作り、フッ素化ナトリウム等はその利用時に産出され生産されるものです。

つまり、有機フッ素化合物と無機フッ素化物は、まったくの別物などではなく、共に同じ蛍石(フロライト)から生み出されるフッ化物です。

 

虫歯予防のフッ素の原料は

日本では、虫歯予防に使用されるフッ素(Fluorine, F)の原料である蛍石(ほたるいし/けいせき、フルオライト)は、主に中国から輸入しています。アシッドグレード蛍石(CaF₂含有率97%以上のフルオライト)は、主にフッ化水素の製造に使用される高純度の蛍石(フロライト)で、歯磨き粉や洗口液への添加など、虫歯予防に広く利用されています。

過去30年間にわたり、日本のアシッドグレード蛍石(フロライト)の主輸入元は中国です。1990年代: 日本への輸入量の約50%を占め、最大の供給国に、2000年代以降: 生産量の増加に伴い、輸入割合は約67%に達する、現在、日本のアシッドグレード蛍石(フロライト)の供給量の約60-70%のシェアを維持しています。

輸入量の推移は、1990年代: 日本全体のアシッドグレード蛍石(フロライト)輸入量は約20万トン、2000年代: 輸入量が30万トンを超える、2010年代後半: 約35万トンに達しています。出典:JOGMEC資料: 日本鉱物資源機構 (JOGMEC) – 輸入量と供給国の詳細。

 

虫歯予防のフッ化物の製造方法は

虫歯予防に広く使用される無機フッ化物は、工業的な方法で生産されます。その原料となるのは、自然界に存在する蛍石(ほたるいし/けいせき、フルオライト)です。フッ化カルシウム(CaF₂)を含むこの鉱物は鉱山から採掘され、粉砕された後に化学反応に利用されます。

フッ素が自然界にある元素であるからといって、濃度が薄く安全な海水や植物、生物など地上の自然界から採集する確立した技術はありません。虫歯予防のフッ化ナトリウムなどは、地底から採掘した鉱物の蛍石(フロライト)を基に化学反応で生産される化学物質なのです。

まず、フッ化カルシウムを硫酸(H₂SO₄)と化学反応させることで、フッ化水素酸(HF)が生成されます。この化学反応では副産物として硫酸カルシウム(CaSO₄)が生じます。生成されたフッ化水素酸は、無機フッ化物を作るための重要な中間体となります。

次に、フッ化水素酸を中和反応などで処理し、用途に応じた無機フッ化物を製造します。たとえば、フッ化ナトリウム(NaF)はフッ化水素酸と水酸化ナトリウム(NaOH)を化学反応させることで作られます。一方、フッ化スズ(SnF₂)はフッ化水素酸と酸化スズ(SnO₂)の化学反応によって得られます。

生成された無機フッ化物は、最終的に純度を高めるために精製されます。その後、粉末や液体など用途に応じた形態に加工され、歯磨き粉や水道水のフッ化処理に使用されます。

 

蛍石(フロライト)からつくられる産業上重要なもの

蛍石(フロライト)は、産業界で幅広く利用される重要な鉱物で、新しいエネルギー産業に重要なフッ化水素酸(HF)の原料として知られています。

フッ化水素酸は、アルミニウム製造や冷媒(フロン、HFC、HFO)の生産、フッ素樹脂(例:PFAS)などのフッ素化学製品の基盤となります。また、ガラス加工や金属精錬のプロセスでも欠かせない役割を果たしています。さらに、高純度の蛍石は特殊ガラスや光学機器(例:カメラレンズ、望遠鏡)の製造にも利用され、色収差を抑える特性が求められる分野で利用されています。

鉄鋼業やアルミニウム精錬では、蛍石(フロライト)がフラックス材として使用され、不純物の除去やスラグ形成を助ける重要な役割を果たします。さらに、蛍石(フロライト)を基にフッ化水素酸と共に生産されるフッ素化学製品は、歯磨き粉や水処理、リチウム電池の電解質、半導体製造など、日常生活や先端技術の分野で欠かせません。

そのため、蛍石(フロライト)の供給不足や価格変動が産業全体に与える影響は大きく、環境規制や輸出制限が課題となっています。

 

蛍石(フロライト)の採掘と健康、日本での歴史

蛍石(フロライト)は美しい石で、主にエネルギー生産に用いられるフッ化水素酸 、その他フッ素化合物の原料、工業用溶剤として使用される鉱物です。

世界では、以下の地域がその主な産地として知られています。

・中国: 世界最大の蛍石(フロライト)生産国で河北省、内モンゴル自治区、浙江省、四川省、湖南省などが主要採掘地域で、地球上の蛍石(フルオライト)埋蔵量の約60%を占めています。
・メキシコ: ハリスコ州やコアウイラ州の鉱山が多く、特にアメリカ向けの輸出が盛んです。
・南アフリカ: リンポポ州などが主要地域で、品質の高い蛍石(フルオライト)を輸出しています。
・モンゴル: 中国市場向けの供給源として重要な役割を果たしています。
・スペイン: カスティーリャ・イ・レオン地域がヨーロッパの重要な産地です。

かつて日本でも蛍石(フロライト)の採掘が行われていました。特に以下の地域が採掘地として知られていました。

福島県: 安達太良山周辺。
岐阜県: 複数の鉱山が存在していましたが、現在は閉山。
北海道: 一部地域で採掘されていました。

しかし、日本の蛍石(フロライト)採掘は鉱山の枯渇と国際競争力から1960年代以降に縮小し、多くの鉱山が閉山。現在では国内での採掘は行われておらず、中国から輸入しています。

各国別の蛍石(フロライト)生産量の推移予測(単位:千トン)

年度 中国 アメリカ ロシア インド ブラジル その他
1900 10 100 50 5 10 200
1950 50 300 150 20 30 400
2000 300 150 100 100 60 200
2025 1000 100 60 150 100 90

 

中国ではフッ素は毒 1億人以上がフッ素過剰暴露と中毒の社会問題

中国では、1980年代に広東省の一部地域で水道水へのフッ化物添加が試みられました。具体的には、広州市の芳村地区で18年間、莞城鎮で11年間にわたり実施されました。芳村地区では、フッ化物添加により永久歯のDMFT(虫歯の数)や乳歯のdftが著しく減少する効果が確認されましたが、一時的にフッ化物の過剰添加により歯牙フッ素症の問題が発生しました。一方、莞城鎮では0.6ppmの適切な濃度でフッ化物添加が行われ、歯牙フッ素症の問題は発生しませんでした。J-STAGE

フッ素の原料である蛍石(フロライト)の地球上60%の埋蔵国であり、水道水にフッ素を添加する以前に井戸水に高濃度で含まれており、環境中のフッ素による住民のフッ素中毒患者が多く、逆に如何に飲み水や食品、大気中からのフッ素暴露によるフッ素中毒を減らすかという課題があります。

2003年の日中の共同研究では、フッ素汚染地域は、飲料水としての地下水がフッ素に汚染されている地域と、フッ素含量の高い石炭や土壌を使用し、燃焼に伴う屋内フッ素汚染による暴露が起こっている地域に分けられ、これらの地域においてはフッ素汚染により、慢性のフッ素中毒である歯の形成異常(歯牙フッ素:斑状歯)と骨フッ素症(骨硬化症)が発生してるとしています。

人口13 億人の中国で、全国 32 の省、自治区、直轄市のうち、上海市を除く 31 省、自治区、直轄市において、つまりほぼ中国の全域で特定地域の住民がフッ素汚染に曝されています。その結果、日本の人口と同じくらいの約1億人の人がフッ素汚染上リスクのある地域に居住し、歯牙フッ素症患者の総数は、約 4,300 万人に上ると報告されています。

また中国は、国内に埋蔵される豊富な石炭に依存した急激な経済発展を成し遂げつつあり、このうち石炭燃焼に由来するフッ化物による「屋内汚染(屋内での石炭使用による石炭に含まれる蛍石・フッ素による吸引暴露)」は 14 の省において報告されており、フッ素の直接吸入と食品汚染を介した間接暴露によって、フッ素症が起こっています。

四川省や貴州省などの一部では、フッ素含量が 500mg/kg(500ppm) を超える調整炭を暖房や調理のため石炭ストーブで使用している地域もあり、燃焼によって高濃度のフッ素が発生し、家屋内汚染が深刻化しています。1997 年の中国衛生部の報告によると、石炭燃焼由来のフッ素症の患者は、斑状歯が 1,817万人、骨フッ素症が 146 万人に及んでいます。

以上の理由から中国では「フッ素は毒物である」とされ、人の健康にとってはフッ素は身近に無い方が良いもので、フッ素汚染地域の1億人以上の国民をどのように守るか、フッ素が元々含まれる地下水からどのようにしてフッ素を除去するのかが重要なことであり、歯磨き粉に含まれるフッ素の毒(急性・慢性中毒や神経毒性)についても歴史を通して周知しているものと思われます。

フッ素中毒による斑状歯や骨フッ素症は、治すことはできず予防するしかなく、蛍石(フロライト)の産地でありフッ素汚染の多い中国では、多くの人々を大気中や飲み水、食品、屋内での石炭使用によるフッ素暴露と中毒から守るため、フッ素の人体への健康被害や環境への悪影響について、現在では様々なフッ素化物への国内規制を講じ人々のフッ素中毒は減少していると考えられます。

 


虫歯予防のフッ素化物とPFASはともに永遠の物質 規制による産業への影響は

フッ素とPFAS(パーフロロアルキル化合物)はどちらも“永遠の物質”として注目される特性を持っています。しかし、それぞれの性質や環境への影響、規制の背景には重要な違いがあります。この違いを理解することで、両者の共通点や相違点、そしてそれぞれの規制が産業や社会に与える影響について考察することができます。

フッ素は自然界に広く存在する元素であり、蛍石(フロライト、CaF₂)や地下水などの形で見られます。フッ素化物(F⁻)は水に溶けやすく、自然環境では安定して存在します。この安定性が“永遠の物質”という印象を与える要因の一つです。フッ素化物は蛍石(フロライト)から人工的に採取されたものになります。

一方、PFASは人工的に作られた化学物質で、炭素とフッ素の非常に強い結合を特徴としています。この結合は自然界で分解されにくく、環境中に長期間残留します。そのため、PFASは“永遠の化学物質”と呼ばれ、特に人体や環境への悪影響(発がん性、ホルモン撹乱作用など)が懸念されています。PFASは撥水性や耐熱性を求められる製品(例:フライパンのコーティングや防水布、消火剤)に広く利用されてきましたが、その毒性から規制が進んでいます。

このように、フッ素化物とPFASはどちらも“分解されにくい”という特性を共有していますが、いくつかの点で異なります。フッ素化物は人工的に採取された物質である一方、PFASは人工的に設計された化学物質です。

さらに、「PFAS環境規制は資源規制にあたるのではないか?」という視点も興味深いですが、本質的には異なる問題です。PFAS環境規制の目的は、人工的に作られた耐性化学物質による環境や健康へのリスクを最小化することです。一方で、自然由来のフッ素そのものは、自然界に広く存在するため規制対象にはなりません。

ただし、フッ素化物の使用が長期的に蓄積し環境に及ぼす影響(例:飲料水フッ素化政策など)は、PFASに関する議論と類似点があります。

PFASは半導体製造において重要な役割を果たし、特にフォトリソグラフィ工程で不可欠な化学物質です。その耐熱性や耐薬品性から、他の物質では代替が難しい特殊な機能を提供しています。しかし、PFAS環境規制が厳格化されると、製造工程の再設計や代替物質の開発が求められ、宇宙産業や先端テクノロジー産業全体に大きな影響を及ぼします。

PFAS環境規制が先端産業規制に深い影響を与える一方、フッ素化物健康規制も産業規制に関連性があると考えることもできます。フッ素化物も産業において重要な役割を果たしています。しかしフッ素化物の利用が増えることは環境や健康へのリスクを伴うため、厳格な規制が求められます。フッ素化物健康規制が産業全体の安全性や持続可能性を管理する役割を果たすといえます。

これらのフッ素化物の環境や健康への規制はそれぞれ異なる産業に影響を与えていますが、共通するのは“持続可能性”や“安全性”を重視する点です。これらの議論は、科学技術の進歩と環境保護、そして倫理的な視点が交差する人類にとって重要なテーマです。

 

外来の高濃度フッ素で環境汚染リスク?  PFAS規制と水道水フロリデーション中止は実質フッ素全般規制か

フッ素は無機でも有機でも水に溶けたり溶けない形で、自然界にフッ素は残り続けます。フッ素は地球上から蒸発したり消滅したりはしません。環境中に濃度を変えて濃縮蓄積し続けます。

無機フッ化物は水溶性が高く、環境中で溶解・拡散する傾向があります。水に溶けて残る物質です。有機フッ素化合物は疎水性で難分解性があり、生物体内で蓄積しやすい特性があります。

つまり、有機フッ素化合物と無機フッ素化物は、全くの別物などではなく、同じ蛍石(フロライト)にから生み出されるフッ化物で、環境中に残り続ける物質です。

虫歯予防のフッ素(無機フッ化物)も、環境汚染の原因となる可能性があります。土中や地下水や井戸水に蓄積されたフッ素は、飲料水や作物を汚染してしまいます。

ちなみに、アメリカで規制される有機フッ素化合物PFASの量は 4 ng/L(0.000004 ppm) と非常に微量です。一方、これまでの無機フッ素化物の推奨水道水濃度は 0.7 ppm(700,000 ng/L) です。これを比較すると、無機フッ化物はPFASの規制濃度の約175,000倍に相当します。

フッ素は自然界に広く存在する元素で、通常はフッ化物(化合物の形態)として自然界に見られます。化学的に安定している物質の一方で、高濃度では毒性を持ち、生態系や人間の健康に影響を与えることがあります。フッ素化が適切に管理されない場合、排水や水道水添加によって川、湖、地下水に蓄積する可能性があります。高濃度のフッ化物は水中生物に有害となり、魚類や植物の生存に悪影響を与えます。

また、そうしたフッ素濃度が高い水を長期間飲用すると、慢性のフッ素中毒である歯の形成異常(歯牙フッ素:斑状歯)と骨フッ素症(骨硬化症)につながる可能性があります。フッ化物が土壌に蓄積すると、微生物や植物に悪影響を及ぼし、農業生産性の低下や植物の成長阻害を引き起こします。さらに、産業活動でフッ化物が大気中に放出されると、酸性雨の原因となったり、植物の葉に吸収されて成長や収穫量を減少させたりすることがあります。

工業的なフッ化物の排出は多くの国で厳しく規制されており、例えば排水中のフッ化物濃度には厳しい基準が設けられています。日本でも飲料水のフッ化物濃度は0.8ppm以下に規制されており、フッ化物を含む廃棄物は「特別管理産業廃棄物」として専門施設で処理されています。

高濃度での環境中への排出は生態系や人間の健康に影響を及ぼす可能性があります。特に、水生生物に対する毒性や土壌への蓄積が懸念されます。したがって、フッ素含有製品の使用や廃棄に際しては、適切な管理と環境への配慮が求められます。長期間大量に使用され、地下に濃縮蓄積していく場合、水質汚染や土壌汚染、大気汚染、生態系破壊を引き起こすリスクがあります。

また自分自身が住む周りの環境がフッ素に汚染されておらず美しい環境であるならば、河川から飲料水や水産物を汚染し、農作物や土壌を汚染する外来の高濃度フッ素製品を、あまり下水を通して近隣の美しい川や海に、排出しない方が良いと考えます。もし近隣の飲料水に用いられる地下水が今回の判決で示されたリスク量の0.7ppm以上のフッ素量となった場合は、注意が必要です。

地球上の別の大陸の地底深くに濃縮蓄積されて元々あった外来の高濃度フッ素を、近隣の自然環境に排出し、濃い場合の毒性も最終的に海で薄まって安全という考えですが、このまま続くといつか近所の地下水や水道水、作物や水産物中のフッ素量が増えて高濃度地域と同じようになり、貴重な水や作物が飲めなくなり食べられなくなると考えられます。

もし身近に高濃度フッ素汚染がない恵まれた美しい自然環境があるのなら、その環境中に外部から持ち込まれた化学物質を排出し続け、近隣環境中の汚染に進めることとは、地域の未来の飲料水や大気など生活環境や農作物や魚や貝への影響、美しい土地の持つ資産価値を維持する為に回避すべきと考えられます。

 

フッ化物のリサイクルや処分方法は?

無機フッ素化物のリサイクルや処分には、環境負荷を抑えながら安全性を確保するための高度な技術が求められています。まず、リサイクル技術としては、湿式再生プロセスがあり、フッ化物を水溶液中で処理することで不純物を分離し、再利用可能な形態に戻すことができます。また、乾式プロセスでは高温処理により純粋なフッ化物を生成する方法が採用されており、これにより半導体やガラス工業で使用される高純度のフッ化物を生産できます。さらに、化学的変換によって使用済みのフッ化物を別の化学物質に変えることで、他の用途で再利用する技術も進められています。

濾過採集技術においては、特に水中や粉塵中に含まれるフッ化物を効率的に捕捉する方法が重要です。逆浸透膜技術は、水中のフッ化物を効果的に除去する方法で、飲料水や産業排水処理において広く使用されています。また、イオン交換樹脂を用いてフッ化物イオンを捕捉するイオン交換法は、工業廃水処理において高い選択性を発揮します。さらに、凝集・沈殿技術では、フッ化物をアルミニウムやカルシウムと反応させて不溶性の沈殿を生成することで除去する手法が採用されています。これに加えて、エレクトロダイヤリシスを利用した電気分解によるフッ化物除去技術も、高度な処理方法として注目されています。

使用済みフッ素化物の廃棄や処分においては、安全な処理が求められます。安定化と固化の方法では、フッ化物をセメントなどと混合して埋立地で安全に処分することが可能です。また、化学処理では酸や塩基と反応させてフッ化物を無害化する技術が用いられており、例えばフッ化物をカルシウム塩と反応させてフッ化カルシウムのような安定した固体に変換する方法があります。高温焼却では、高温炉でフッ化物を処理して無害化しますが、排ガス処理装置の設置により二次汚染を防ぐ必要があります。さらに、専用埋立地での廃棄では、漏出を防ぐためにライナーシステムやモニタリング装置が必須です。

 

なぜ人間が口に入れるものや、地球上の環境は、脱化学物質・ケミカルフリーであるべきなのか?

化学(ケミカル)物質とは、化石原料から作られる化合物のことです。化石原料とは、地球上の生き物や有機物などの物質が濃縮して石や油、ガスとなり、鉱物や石炭、レアメタルや石油など地球上で化石化し地底深くから採掘したものや、宇宙から降ってきた隕石に含まれる鉱物です。

化学とは化ける学問ともいう様に、これらの石や油やガスは化学反応を起こし、化け、燃えたり爆発したり素晴らしいエネルギーや生物を殺す殺菌作用や防腐作用、低コスト生産などを生み出すものですが、植物や生物、人間など環境には毒です。よって、人類の産業発展には必要なものですが、健康のためには使用量を減らしたり、より安全に環境にやさしい技術を開発したり、自然環境に気にしなくて良い宇宙での化学開発を進めることが、地球と人類の未来にとって良い選択と思われます。

地球上や近所では、限られた川や海の美しさを守るために、環境や健康を毒する化学物質は避けて、自然なケミカルフリーの安全なものを増やすこと、飲み水や空気や食べ物はケミカルフリーを保つことが、自分たちにとって心地よいものになると考えられます。

想像してみましょう。化石原料だらけで自然や生物がいない状況とは、火山の後の世界のようなものです。地底からマグマが化学反応で爆発し、植物や生物を焼き尽くし、水を蒸発させ、あたり一面は石に覆われた焼土です。地底で濃縮されていた毒を持つ危険な化学物質や化石原料もあり、すべての植物や生物を殺してしまいます。地球創生の焼土の地表や海水が安全になり生物が生まれるまでには何億年もかかりました。つまり地底で濃縮され落ち着いていた石油や鉱物を地上に掘り出すというのは、いまの地上の生き物にはがあるのです。よってこれ以上の地球の地底資源開発は、オゾン層の破壊をはじめ地上の人類にも存続影響を及ぼすレベルに来ていると考えられます。

一方、火山の後の世界とは宇宙の星に似ています。レアアース資源が豊富になり、オゾン層も空気も水もなく、放射能は地球上の数百倍、生物がいないので環境規制もありません。限りある緑の星の地上の自然を破壊してしまう地底資源開発はこの辺にしてもう少しで手に届く宇宙資源開発を早く進め、美しい地球上で人間が口に入れるものや地球上の生活環境は、脱化学物質・ケミカルフリーであるべきとするのが、21世紀の人類の健康や繁栄にとって賢い選択と考えられます。

 

環境基準値を超え増え続ける日本の地下水中のフッ化物汚染

環境省が実施した2019年度の調査では、日本全国で3,191本の井戸を対象に地下水の水質を測定し、そのうち約1.0%の井戸で無機フッ化物濃度が環境基準値(0.8ppm・mg/L)を超過しています。過去30年間の調査でも、環境基準超過率は0.4~1.2%の範囲で推移しています。

地下水のフッ素汚染は、浅井戸は工場排水や河川からの混入、深井戸は蛍石や花崗岩の黒雲母からの溶出による地質由来の影響を受けるともされますが、以上は日本における地下水中のフッ素濃度の環境基準超過率の推移を示すグラフです。

1990年から2020年までの間に「フッ素濃度が0.8ppmの環境基準を超えた、もう飲めない井戸」の割合(%)を示しています。過去30年間で、環境基準超過率が徐々に増加していることがわかります。特に最近では、環境省の調査で超過率が1.2%に達しており、将来の日本の地下水中のフッ素濃度の増加が問題視されています。

これは歴史的に元々日本の地底にあった鉱物の蛍石(フロライト)などからフッ素化物がこの30年で急に溶け出したものではなく、1990年代より推進した外来のフッ素化物による日本の自然環境や地下水の汚染が確実に進んでいる状況を示しています。

世界でも珍しい、蛇口から飲めた、豊かな自然が育んだ、生き物に優しく、不純物が少なく、軟水で清らかで、素晴らしく美味しい、しかも安くて安全な世界一の「日本の水」と米、塩や食の安全性を確保し、持続可能な日本の水資源管理と日本人の健康を取り戻すためには、将来を見据えた早急な対策が求められています。

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詳細は以下にて

「虫歯予防のフッ素、子供のIQ低下で米規制へ。米国主要メディア報道 2024年 9月24日」
https://oralpeace.com/news/news-news/33862

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今後のアメリカでの最新動向を見守っていきましょう。

愛する人にはオーラルピース

*米国ニュースメディア等の情報ソースへのお問い合わせは、ご興味のある方が各自で行っていただけます様お願いいたします。


初稿:2024年9月27日 米国 カリフォルニア時間
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