【口腔ケアの意義と目的】高齢者介護における必要性・重要性・大切さ
【高齢者介護における口腔ケアの必要性・重要性・大切さとその意義・目的】
世界一の高齢化が進む日本では、約600万人の要介護状態の高齢者がいます。
またその介護コストは年間10兆円を超え、介護従事者の身体的負担に合わせて、国民全体の大きな負担となっています。
厚生労働省は2013年に、自立して生きることのできる健康寿命と、寝たきりなどの状態のまま生きる実際寿命の差が10年あると発表しました。
つまり、10年間介護状態にあると言うことです。
そして健康寿命を伸ばし、その介護状態の10年を短縮すること、元気に生きて介護なしで寿命を全うすることが急務とされています。
不健康な状態を続けることで介護状態になる他、認知症・アルツハイマーにより要介護になる場合もあります。
そこで、如何にして健康寿命伸ばすかと言う課題について、国立長寿医療研究センターをはじめとした研究機関では様々な研究を重ねてきました。
長年の研究の結果、明らかになったことが「口腔内の健康」でした。
認知症・アルツハイマーと歯の残存本数の関連性が明らかになったのです。
つまり歯が多く残っていると認知症・アルツハイマーが発症する確率は低く、歯が残っていないと呆けると言う事実です。
さらに、歯周病と糖尿病や心筋梗塞、低体重児など多くの疾患との関係が明らかになりました。
そこで、厚生労働省は80歳までに20本の歯を残そうというスローガンを掲げて、口腔ケアの必要性・重要性・大切さを訴え、その意義や目的を国民に浸透させてきました。
それは折しも2012年に、九州大学・鹿児島大学・国立長寿医療研究センターの産学官の研究チームが、
この高齢化問題を解決するための、飲み込んでも安全な口腔用殺菌剤「ネオナイシン」の研究成果を発表した時期と重なっていたのです。
約20年に及ぶ園元謙二九州大学名誉教授の「ネオナイシン」の研究成果が、日本農芸学会賞や様々なビジネス大賞を受賞、多くのメディアを通して、口腔ケアの重要性・必要性・意義・目的を、国民に浸透することが実現できたのです。
そして、近年のように口腔ケアというキーワードは広く国民に伝わり、健康寿命の伸延、未病の促進、オーラルケア市場の拡大に寄与しました。
高齢者介護における口腔ケアの意義・目的とは、「歯を多く残し、介護状態にならない」ということです。
歯を失う原因は、虫歯や歯周病によるものになります。
日本人は糖質の高い精米されたお米を食べる民族であり、モンゴロイドとしてエナメル質が薄い特徴から虫歯になりやすいとされています。
また、9割以上が歯周病を患っていると言われています。
死ぬまで健康に生きる、迷惑をかけず生きる、自分の意思で生きることができれば、多くの人にとって幸せな人生であると言えるでしょう。
また、要介護高齢者の場合は誤嚥性肺炎という問題があります。
口腔内の増加したばい菌が寝ている間に、肺に落ち込み、肺炎となるというものです。
この肺炎は高齢化が進む日本では、死因の第3位までなっています。また誤嚥性肺炎により繰り返される入退院により、医療は逼迫し、医療コストは増大しています。
以上のような、医療・介護負担、コストの低減のため、そしてそれぞれの人の尊厳のある人生のために、口腔ケアは必要とされているのです。
以下に介護と口腔ケアについてのページをまとめ、多くの方の啓蒙に活用いただいています。
実際の口腔ケア方法について、口腔ケア用品の選び方について、家族が健康で幸せに長生きする方法について、多くの方に知っていただけましたら幸いです。
介護と口腔ケア
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